アロエの副作用?生理中・妊娠中の女性はダメってほんと?

アロエの副作用?生理中・妊娠中の女性はダメってほんと?

ケープアロエ、キダチアロエ、アロエベラなどのアロエには、便秘解消に効く、火傷や傷のケアに効く、血圧を下げる、胃の調子を整えるなど様々な効果効能があります。
気になるのは副作用です。

アロエには子宮内の充血を高める作用があり、生理中・妊娠中の女性には勧められない、とも言われています。
この記事では、生理中・妊娠中の女性が本当にアロエを摂取してはいけないのか、この話の出どころはなんなのか、などについて詳しく解説いたします。

そもそもの話は「日本薬局方」のケープアロエ

「日本薬局方」とは、明治19年(1886年)に公布された医薬品や生薬の品質規格書です。
初版の明治19年公布のものに始まり、2023年現在では、2021年公示の第18改正版となっています。

問題のアロエによる「流産のおそれがある」に類する記載ですが、薬局方本文ではなく、「日本薬局方 解説書」に記載があるようです。
こちらには下記のように記載されているとのことです。

「緩下作用は常用量で服用後八〜一二時間後に現われ、大量は腹部のせん痛と骨盤内臓器の充血を起こすので、妊娠時、月経時、腎炎、痔疾の場合などには注意を要する」
p63 「生理中・妊娠中は飲んではいけないか?」内より抜粋

99人が語るすごい効きめ アロエで治った! 医学博士 添田百枝/アロエ研究科 藁科 茂 有紀書房

キダチアロエ、アロエベラの標準量に流産の恐れがある?

それでは、日本薬局方解説書にある通りに、キダチアロエやアロエベラなど一般に手に入るアロエに流産の恐れはあるのでしょうか?
同書籍では、この記述を鵜呑みにすることについていくつかの問題点を指摘しています。

  • これは薬局方のケープアロエのことである
    (ケープアロエは効果が強すぎて扱いが難しい)
  • 食品に使うキダチアロエとは違うものである
  • 「大量」の場合であり、普通の量ではない

動物実験などでいう「大量」とは、数十倍、数百倍を差しています。
そのため標準量の2〜3倍(キダチアロエ生葉で15gが標準)でもここでいう「大量」とは程遠い量になります。

また、添田百枝博士は、その著書「アロエの効能」の中で、こうも述べているそうです。

「薬局方の場合はケープアロエについてこう書かれているのであって、家庭で用いるキダチアロエの場合は、それほど神経質になる必要はありません」(四八頁)
「キダチアロエの場合、その充血作用はごく弱いものです」(一九〇頁)
p63 「生理中・妊娠中は飲んではいけないか?」内より抜粋

99人が語るすごい効きめ アロエで治った! 医学博士 添田百枝/アロエ研究科 藁科 茂 有紀書房

これは、薬局方の主成分アロインの量が桁違いに少なく、キダチアロエでは14分の1から18分の1との研究があるようです。
もし、妊娠中にアロエを飲んで流産するなら、堕胎薬としても有名になっていたのでしょうが、そのような話はないようです。

当サイトでの本件の扱いについて

この記事で解説した通り、標準量の数十倍、数百倍の「大量」のケープアロエを服用した場合には、妊娠中・生理中には非常に危険です。
ですが、適量のキダチアロエ(成人生葉で1日15g)、アロエベラの場合(成人生葉で60g)、その危険は少ないと言えるでしょう。

妊娠中には便秘になりやすいため、キダチアロエやアロエベラなど、自然なもので便秘に効果のあるものは非常に魅力的です。
アロエ研究の第一人者であった添田博士の言う通り、妊娠中・生理中の方にもキダチアロエやアロエベラを活用していただきたいと考えています。

ただし、体質や体調によっては思わぬ作用が出る場合があることも事実です。
念のために、医師に相談してからの服用をお勧めいたします。
そのため、当サイト内の記述についても、「要注意」「注意を要する」の記載でご紹介して参ります。

参考資料・書籍

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